レーザーの語源について

レーザーは略語であり、Port-Wine Stainを略してPWSと呼ぶのによく似ている。つまり、レーザー、LASERはLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationの略である。LASERはLight Amplificationは光の増幅、by Stimulated Emission of Radiationは誘導された放射の放出による、と訳せるので、LASERの意味は二つ合わせて、誘導された放射の放出による光の増幅、ということになる。

レーザーの発生機序について

LASERの原理は意外にわかりやすい。原子の周りにはグルグルと電子が回っているが、その軌道は複数個ある。内側の軌道ほど安定で、外側の軌道ほど不安定で、電子が外側の軌道から内側の軌道に移るときに放射を放出する。ここで、放射とは要するにレーザー光と考えてよい。例えて言えば、高い位置にある物体を低い位置に落とすと地面にぶつかった音を放出する、くらいのものである。

それではどのようにして外側の軌道の電子を内側に移動させるか。実は、外側の軌道の方が不安定なため放っておいても内側の軌道に戻ってしまう。だから、内側の軌道の電子を無理矢理外側に移してしまえば後は勝手に内側に戻る。

内側の軌道の電子を外側に移動させるには、外部からエネルギーを注入する必要がある。イメージで言うと、お茶の間にあるお饅頭(電子)を二階(外側の軌道)に持って行き(エネルギー注入)、二階の窓からお饅頭を自然落下させると地面(内側の軌道)に落ちたときに音(放射)が出る(放出する)、という感じである。励起状態に導くために、具体的にはフラッシュランプ等を用いる。 放出された放射は両面が鏡になっている筒の中で行ったり来たりを繰り返す。そのなかで更に連鎖的にエネルギー注入と放射の放出が繰り返される。これが増幅(Amplification)である。そして、両面のうち片面はある一定の割合だけ光が透過されるようになっており、ここから増幅された光(LASER)が発射される。

具体的に説明する。フラッシュランプ等で筒の中の全ての分子を励起状態にする。全ての分子のうち、ある一個が放射を放出する。これを自然放出という。その一個分の放射が他の一個の励起状態にある分子に入射し、二個分の放射を誘導放出する。その二個分の照射が他の一個の励起状態にある分子に入射し、三個分の放射を誘導放出する。これの繰り返しで、粒そろった(コヒーレンスが高い)レーザー光を得られる。

各種レーザーの違いについて

上のPWSと治療の項で、色々なレーザーを紹介した。例えばPDLである。PDLは他のレーザーと何が違うのか、と言えば媒質が違う。外部からエネルギーを注入して放射を放出すると述べたが、そのエネルギーを注入する対象が異なるという意味である。PDLの場合はその対象(活性媒質)として液体の蛍光性有機色素を用いられる。ルビーレーザーならば活性物質がルビーであり、アルゴンレーザーならば活性媒質がアルゴンであるというわけである。

活性媒質が違うとレーザー光の波長が異なってくる。その波長の違いを治療目的の違いに応じて使い分ける。

電気メスというものをご存知だろうか。その名の通りメスのように皮膚を切ることができるデバイスである。実はこれもレーザーである。具体的には、レーザー光を切開したい場所に照射して焼き切る。電気メスは炭酸ガスを活性媒質に用いたものでPWS治療用のものとは異なるが、同じ原理である。たかが光が皮膚を焼き切るのであり、レーザーポインターの比ではない。

これはPWSの治療にも大切なことで、強すぎる設定では皮膚にダメージを負ってしまう。しかし弱すぎる設定では投資額(治療費)に見合わない結果しか得られない。治療者のスキルはやはり大切であると思う。

Qスイッチレーザーについて

Qスイッチレーザーは、ポッケルスセルを光軸上に設置しレーザー発振を強制的に停止させる。エネルギーが蓄積された時にレーザー発振の停止を解除することによりエネルギーを一気に放出することができる。その結果、短いパルス幅でピーク出力の高いレーザー光を得られるのである。

また、非線形の光学結晶を出力光の一部に通すことにより第二光調波のレーザー光を得ることができる。

パルス→1秒間に何回レーザーを照射するかということ。3.0Hzとは1秒間に3回照射することを意味する。

パルス幅→パルスは1秒間に何回照射するかということを表したが、パルス幅はその1回当たり何秒照射するかということを表す。450μsecとは、450μsec=0.45msec=0.00045sec、つまり1回あたりの照射時間が0.00045秒間ということを意味する。

波長→波の長さのこと。有色光を例に出すと、赤い光は波長が長く、紫の光は波長が短い。波長が短い光ほど大きいエネルギーを持つ。